介護保険住宅改修工事~トイレ手すり取付け編 [介護リフォーム雑記帖]
っまいど、おおきに!歓迎光臨(いらっしゃいませ)、まつもっくりです!
3月も下旬に入りましたが、そう簡単には暖かくなってくれませんね。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、東北・東日本の被災地の皆さんにおかれましては、
本当に辛く寒い日が続いている事と存じます。心よりお見舞い申し上げます。
トイレや水道が思うように使えず、ご不便な生活を強いられていることでしょう。一日も早い復旧を願って止みません。
さて今回の記事は、そんなトイレに手すりを取付けたリフォーム工事についてです。
昨年11月中頃、一人の若い女性がまつもっくりを訪ねて来られました。
・・・「こちらで手すりをつけてもらえるんでしょうか?」
話をお聞きすると、「母とマンションで2人暮らしをしているのだが、母がある日突然起き上がれなくなり、救急車で病院へ運ばれたのです。」
「退院までまだしばらくかかるが、退院して来た時に手すりがないと家の中を歩くこともできないのです・・・」と、途方に暮れた様子でした。
←玄関付近の様子。リビングまでの廊下(約4m)には、手すりがないと歩行するのに不安が残ります。
突然立ち上がれなくなった理由は、持病の膝関節炎の悪化。
お母様が退院するまではどうする事も出来ないので、とりあえずは現地での見積りのみに留めておきました。
そして、お母様退院後の歩行の状態を確認したのち、後日手すりを取り付けることにしました。
←トイレの手すりを取付ける位置を出す、橘昇工藝の大道(おおみち)大工。心強い味方です。
手作り家具屋「まつもっくり」の母体は、実は住宅の建材を扱うお店(「大松建販(だいまつけんぱん)」)。この大松建販のお得意先は、ほとんどが大工さんや工務店さんなのです。
まつもっくりは、この大工さんや工務店さんとのネットワークを活かし、住まいのリフォーム相談を受けているのです。
←手すりを取り付ける場所に、下地を埋め込む作業を行います。壁紙(クロス)を四角くめくっています。
そして、2月下旬にお母様が退院して来られました。病院でのリハビリの成果もあり、私が想像していたよりはシャンと立って歩くご様子。
ただ、日中はお母様お一人になってしまうので、手すりは不可欠に感じました。
担当のケアマネージャーさんと相談の上、トイレ・廊下・寝室に計8か所手すりを取付ける事になりました。
←パナソニック電工製L型手すり設置完了!お母様の立ち上がり易い位置に取り付けました。
今回のリフォームの目玉は、何といっても介護保険の「住宅改修費給付券」制度を利用したこと。
これは、介護保険を使って住宅を改修(手すりの取付けや段差の解消等)すると、被保険者の負担が支払総額の1割(10%負担)で済むというもの。
20万円までの住宅改修工事なら、被保険者の支払いは総額の1割。残りの9割は大阪市が負担してくれるというのです。
←トイレの右側にもL型手すり。これで、左右両方に手すりがついたので、安心して立ったり座ったり出来ますね。
負担1割なら、被保険者も迷わず住宅改修できるところです。本当にありがたい制度だと思いました。
私もこの制度を利用してのリフォームは初めてだったので、申請には少々手こずりました。が、一度やってしまえばあとは「慣れ」です。
←玄関廊下に手すりを取付ける前の状態。ブラケット(手すり取付け金具)を4か所取付けています。
工事は2日間で無事完了し、お母様も喜んで頂けたご様子。やはり、手すりがあることで格段の安心感につながるのでしょうね。
工事完了時にお聞きした話なのですが、実は脚が痛くなるまでは、人ともあまり会話されなかったらしいのです。
しかし、この関節炎で入院し、リハビリしてから「自分が変わった」と仰るのです。
お母様のために介護に関わる方々が色々とご尽力下さるうちに、自然と会話し、笑顔が出るようになったというのです。
「ひょっとしたら、お母様が笑顔を取り戻すために膝が痛くなったのかも知れませんね。ある意味で感謝しなきゃいけないかも知れないですね。」
そんな話をさせて頂き、お母様の晴れ晴れとした表情が印象に残った工事でした。
最後に被災された方々におかれましても、さまざまな困難があろうかと存じます。しかし、いつの日かこの震災があった事に感謝できる日が必ず来ることを念じて止みません。
決して無理をなさらぬよう。必ず笑顔は戻ってきますので・・・!
以上、まつもっくりでした~!!!
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